厚生労働省から令和4年10月11日に「健康日本21」(第二次)の結果の最終評価報告書が発表されました。この中の1日の歩数の変化については前回紹介しましたが、目標として掲げた歩数に対して77〜87%の達成率となってしまいました。
「健康日本21」は10年の期間をかけての目標達成を目指したもので、平成25年(2013年)からのスタートでした。平成23年(2011年)3月11日に東日本大震災があった影響で、東北だけでなく、全国的にウォーキングイベントの参加者が減ったこともありましたが、その後は歩くことの重要性が見直されて、一時は歩数が増える傾向がみられました。
災害級の影響ということでは、令和元年(2020年)に始まった新型コロナウイルス感染症の影響があげられます。感染防止のために外出自粛が続き、自治体での健康イベントも中止が相次ぎ、歩く機会が激減しました。
日本ウオーキング協会は全国でウオーキング大会を開催してきて、延べ220万人の参加者を誇っていました。ところが、コロナ禍で大会が軒並み中止になり、再開されても規模縮小(参加者の人数制限、県内限定など)となりました。
歩数の確保が難しくなり、これが「健康日本21」(第二次)に影響を与えたのかと思ったら、10年後の歩数の結果は令和3年(2021年)の調査ではなくて、令和元年(2019年)の「国民健康・栄養調査」の結果となっています。「国民健康・栄養調査」となったのは平成15年からで、平成6年〜14年は「国民栄養調査」、昭和22年〜平成5年は「国民栄養の現状」として毎年続けられてきました。
ところが、新型コロナウイルス感染症の影響で、令和元年を最後に調査が実施されていません。そのために新型コロナウイルス感染症は今回の歩数の結果に影響を与えていないということで、実際には相当歩数が減っていると考えられます。しかし、その影響は調査をしていないので、知ることもできないのが実際のところです。