健康ジャーナリスト2

◎健康ジャーナリストと呼ばれたくなかった
医療ジャーナリストという職業分類があって、何の仕事で食べてきたのかと聞かれれば、医療ジャーナリストだと答えてはいますが、だんだんと消費者が知りたいことを伝えているうちに、“健康ジャーナリスト”と周囲に認識されるようになっていきました。
健康ジャーナリストという職業分類は存在していないので、今も聞かれれば医療ジャーナリストだったと話すようにしていますが、一時期は“健康ジャーナリスト”を肩書きにするライターが数多くいました。健康雑誌に記事を入れているだけでも名乗れるし、ネット情報では自由に表現できるので、単に健康に関わる商品の情報を伝えているだけでも、ジャーナリストと自称する人は数多くいました。
私が専門誌に書いた情報、単行本に書いた情報を、事実の部分だけ引用して、自分のオリジナル原稿のように書いていた自称ジャーナリストにも多く会いました。私に取材を申し込んできて、そこで聞いたこと自分の考えのようにネットメディアに乗せた自称ジャーナリストもいました。そんなことを続けていると、正しい情報を正しく伝えられなくなってしまいます。
そのようなことではいけないと、健康ペンクラブを設立して、情報は必要な人には正しい情報を伝えてあげて、間違いのない発信をするようにサポートしてきました。この活動による評価は、お金ではなくて、正しく伝わるように書かれた記事やニュースでした。
自分として健康ジャーナリストとは名乗りたくない理由の一端ですが、そもそも医療ジャーナリストの仕事ができていたのは情報源の行政や団体などは東京にあり、それを伝えるメディアも東京にあったからです。岡山に移住してからは、以前から手がけていた全国キー局のテレビ番組や全国版の雑誌などにネタを提供するくらいのことで、ジャーナリスト、それも医療ジャーナリストと名乗れるような内容でなくなったと認識しています。
それでも11年半前から始めた「健康情報メール」は今も毎週、発信し続けています。行政、団体、研究機関、大学などの医療・健康関連の発表データを集めて、それをメールで関係先に発信するサービス(やってもお金にならない“身から出たサービス”)です。本年(2021年)11月13日で600号になります。これは医師や研究者、団体役員、メディア関係者に発信を始める前から自分のためにやっていたことで、最新情報を更新しておかないと、古い情報、つまり間違った情報を流すことにもなりかねないからです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)