「第三の居場所」という言葉は、子どもについて使われることがほとんどで、家庭と学校以外の居場所を指しています。子どもが楽しみながら安心して過ごせる場所が期待されるところですが、学童保育クラブや児童館、学習塾などを指すこともあり、そこに行きたい、時間を過ごしたいという気持ちを抱かせるところであるのかは疑問も抱かれます。
子どもが好きなスポーツなら、それは喜んで行く第三の居場所になるのかというと、本人が望んで積極的に行きたいと願っているものであればスポーツは絶好の第三の居場所となります。
ところが、保護者から言われて仕方なく行っている、そのスポーツしかないので他に選択肢がないというのでは、心から望む第三の居場所とはならないはずです。それは成人や高齢者にとっても同じことが言えます。
家庭と会社の行き来だけになっている人や、家から出ることが減っている高齢者には、誰でも楽しめることを目指した生涯スポーツがすすめられることが多くなっています。一緒に身体を動かすことの交流の楽しみはあっても、自分が望むような内容でないと始めることはできても続かないということにもなります。
多くの人にとって第三の居場所となるスポーツは、出来ることなら多くのスポーツの中から選びたいところです。これを主導する自治体や健康づくり団体などは、自分達が推奨するスポーツだけを示すのではなく、他のスポーツも示すべきです。
そして、その中から推奨するスポーツに参加してもらえるようにする工夫と努力をするべきです。それがあってこそ、健康づくりのスポーツは第三の居場所となり、長く続けて、それこそ生涯スポーツとすることができると考えています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕