医師の平均寿命が短い現状があることから、病気になってから医療機関に行くということでは健康を守れない、ということを前回書きました。それに続いて、医師の知識について感じている不安感の原因を考えています。
それは古い情報のまま、以前の技術のままでも医師が続けられる制度のために、全員の医師が最高の医療レベルにはないということであり、その最大の原因とされているのは日本の医師免許には更新制度がないことです。
それに対してアメリカでは、州によって違いはあるものの医師免許の期限は1〜2年で、更新をしなければ医師として仕事をすることができません。更新のためには講習を受講する必要があるので時間も費用もかかります。
日本の医師制度は医師免許があれば、自由に診療科を選んで診察、治療を行うことができるのに対して、アメリカでは診療科は、それぞれ専門資格を取得する必要があります。これにも時間と費用がかかります。
取得した専門資格を継続するには更新教育を受ける必要があって、専門資格は科によって違いがあるものの多くは10年間となっています。複数の専門科を継続するためには繰り返して学び、知識を更新する必要があります。
日本の医師制度は更新制度がない一生ものの資格であり、専門資格もないということで、最新情報を得て、最新の技術を身につけているかは確認してみないとわからないということです。どのようなことを学んでいるかを公表している医療機関もあるものの、開業医では専門医や認定医の証書が掲げられているだけということもあります。
中には証書を掲げられない医師もいます。専門医制度は、それぞれの医学系学会が認定して教育を行っているもので、更新教育は学会によって行われています。専門医、認定医であるのかを確認するのは、安心してかかるための最低限の情報収集といえます。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕