健康デザイン51 疾病の最大リスクは“加齢”

健康づくりのために身体の状況を知っておくためには、健康診断で実施される血液検査や身体測定などがあげられますが、健康デザイン活動では身体年齢測定を健康づくりの基本としています。それは心身の機能低下や疾病は年齢との関わりが大きく、「疾病の最大のリスクは加齢」との考えがありからです。

身体に負荷がかかることをしていても年齢が若いときには問題なく過ごすことができるのは、対応力があるからです。回復力も免疫力も高く、心身のトラブルがあっても無理なく回復する能力が備わっています。

日本人は世界一の長寿国(男女平均)ですが、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは1947年(昭和22年)のことです。そのときから76年が経過して、平均寿命(2022年)は男性が81.05歳、女性が87.09歳になったことは日本人の健康度の高さを示す一つの裏付けデータになっています。

考え方を変えると、日本人は急激に寿命が延びたことで、対応力が追いついていなくて、それが健康寿命(医療や介護に頼りきりにならず自由に動ける期間)との差が男性が9年、女性が12年という結果にもなっています。

そのようなことから把握して対応すべきは、実年齢(暦年齢)ではなく、身体年齢ということになります。身体年齢測定は現状の身体の年齢を知ることができるだけでなく、身体年齢を改善するため、つまり実年齢との差を短くするために、よりも若くするためにすべきことが明らかになります。

自分の工夫と努力によって身体年齢を若くすることができるので、これは疾病のリスクを低く抑えて、本当の意味での健康寿命を延伸させることにつながっていくということです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕