食生活チェックは、1週間の食べた食品の種類を項目の中からチェックするだけで食生活のバランスを確認するもので、これによって何を食べればよいのか、何を増やすのか、何を減らすのかを指導するための基礎調査として実施されています。
そのチェックの前の質問として、健康の基本中の基本となる起床時間と就寝時間を確認するために、時間をチェックしてもらっています。普通に考えると、起床時間と就寝時間は一定しているものと考えられがちですが、実際にチェックをしてもらうと、通常の勤務先で定時に働いている人でも深夜3時に起床する人もいれば、勤務時間の始まりの30分前に起床している人もいます。
深夜3時に、たまたま週に1回だけ起床する特別な早起きのイベントに参加しているということではなくて、いつも深夜に起床して8時30分に勤務先に到着している人もいます。調査項目には超早起きをする理由の記載項目がないので、何をしているのかはチェック表だけではわからないのですが、その理由を聞きたくなる人もいます。
起床して、すぐに食事をする人もいれば、起床から1時間以上が経ってから食事をする人もいて、起床して30分以内の食事という一般的なパターンが通用しない人も少なくありません。そのようなこともあるので、起床時間の確認は重要です。
また、就寝時間も、通常では「夕食から就寝までは3時間以上を空ける」ということが通用する人がいる一方で、夕食を食べて、すぐに就寝する人もいれば、夕食を食べないままに就寝している人もいます。
1日に2食しか食べないと聞くと、朝食を抜いているものと思い込んでしまうところですが、夕食を抜いている人もいて、実に指導のやりがいがある人もいるのです。
起床時間と就寝時間、それに食事を始める時間をチェックしてもらうと、一般的な指導でよいのか、それとも特別な指導が必要なのかがわかります。これまでは特別な指導が必要な生活時間の人に、当たり前の指導をしてきたために、健康指導がうまくいかなかったという例も少なくありません。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕