健康診断などで身体の状態が判明したときには、まず最大の問題点とされたことから改善に取り組もうとするのは普通に考えられていることです。検査結果が基準値よりも高値を示す「H」があれば、それを解決すれば、まずは安心という気持ちがあるのは当然のことです。
高血圧であれば、血圧を上昇させる生活習慣を見直し、血圧を下げる、安定させることを行えばよいとの考えから、血圧上昇の根源ともされる塩分摂取を控えるようにする人が多くなっています。医師の多くも、そのような指導をしています。
「H」が一つだけであれば、それを基準値の範囲に抑えることができれば、それで健康になれると考える人が多いのも当たり前のように思われるものですが、そうとは限らないのが健康づくりの難しいところです。
血圧は、原因がさまざまでであって、今のところ原因とされるのは11種類もあります。塩分のほかにも原因はあって、塩分(ナトリウム)によって高血圧になる人は30〜50%で、平均的には40%ほどとされています。
それ以外の人は塩分で高血圧になるわけではないので、他の原因が、どれも「H」になっていなくても、複数の要因が重なると高血圧のリスクが高まるのは当たり前にあることです。その中でも、特にリスクを高めるとされるのは、血管にダメージを与える高血糖だとされています。
最大の問題点が解決されればよいということではなくて、それぞれの検査数値が基準値のギリギリのところにあったら、これは安全という状態ではなくて、リスクが高いと考えるべきです。
そして、全体的にリスクに対して備えておくことが大切という考え方をするべきだということです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕