日本メディカルダイエット支援機構は、内閣府から特定非営利活動法人に認証された2008年が、厚生労働省の特定健診・特定保健指導が始まった年と重なったこともあり、内臓脂肪を減らすことを目的とした食事指導と運動指導によるダイエットの情報や指導を求められることが多いという状況でした。
特定健診・特定保健指導はメタボリックシンドロームの予防・改善が目的となっていて、そのターゲットが内臓脂肪の減少だったことがあり、メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群と訳されていました。これは今も続いていることですが、メタボリックはメタボリズム(代謝)に由来していて、代謝低下症候群が相応しい日本語といえます。
代謝が低下していることであるとすると、メタボリックシンドロームを改善するためには、内臓脂肪を増やす要因となるエネルギー源(糖質や脂質)を減らすことではなく、エネルギー代謝を高めて、余分な脂肪をエネルギー化させることになるはずです。
そこで、メタボリックシンドロームに対応する情報を得るとしたら、運動療法を優先させる、中でも脂肪の代謝を高める効果がある有酸素運動の情報が重要になります。その有酸素運動に関する情報の中から正しい情報を選択して、それを実践することが優先されるはずです。
しかし、いまだに内臓脂肪を減らすための方法というと脂肪の摂取や吸収を抑制することのほうが着目されがちです。脂肪などのエネルギー源はそのままにして、これをエネルギー化させて多くのエネルギーを作り出すことが重要になります。
というのは、細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中だけでしか使われない特徴があるからです。全身の代謝を正常に保つためには、全身の細胞の中で多くのエネルギーを作り出して、細胞一つひとつの働きを高めていくことが重要になります。
そのことを理解して、情報を得るようにするのが、健康リテラシー(正しい選択と実践)の基本となるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕