健康リテラシー25 メディアの健康情報の変化

健康情報は、今でこそ手のひら(スマホ)で簡単に手に入るようになりましたが、情報量が増えるほど、その情報が正しいのかを判断する別の情報が必要になってきます。

簡単に手に入るようになったということは、それだけ多くの情報が発せられているということであり、数が増えれば増えるほど的確性、正確性が低下していくのは今に始まったことではありません。

情報の質が低下しても、それを見抜く目を持っていればよいわけですが、正しい情報を見抜くリテラシーは、それなりの訓練を続けていないと身につけることはできないものです。簡単に手に入り、それを簡単に使えるような状態だと、どうしても疑うことなく受け入れてしまいがちで、そんな習慣を身につけてしまうと、騙されやすい状態となります。

何も手のひらの情報は特殊詐欺に限ったことではなくて、お金よりも大事なはずの健康にかかわる情報も安易に飛びつき、結局は身につかずに、時間も、場合によってはお金も無駄にすることにもなります。

以前の健康情報といえば、健康雑誌が主流の時代があり、新たな情報、新たな商品は健康雑誌から得ていました。健康に関わる商品の通信販売も、健康雑誌を通じてという時代が長く続いていました。

広告費用が新聞広告とネット広告で逆転したのは2009年のことで、これは新聞業界だけではなく、他のマスコミ媒体でも同じことが怒ると言われました、テレビ広告とネット広告が逆転したのは2019年のことで、さらに2021年にはマスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)の広告費をネット広告が上回りました。

健康雑誌は老舗の月刊誌が今は季刊誌(年4回発行)となり、健康雑誌の数も大きく減りました。じっくりと読んで、情報を得ることができにくくなり、簡単に手に入る情報は目を引く内容が重視されて、重要なこと、実際のことが伝わりにくくなりました。

自分の状態もわからず、自分に合っているかもわからず、広告なのか情報なのかわからない状態のものに飛びついた結果が、望むような結果が得られないということになるだけに、健康のリテラシーを身につけることは重要です。

もっと学んで、もっと考える機会を提供することが、今の時代に私たちが求められることだとの認識を強くしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕