健康リテラシー34 “糖質制限”との戦い3

糖質制限は、糖質が含まれたもの(ご飯、パン、麺類、砂糖など)を制限するだけで、三大エネルギー源のうち脂質とたんぱく質は制限されないので、空腹を感じることはない、というのが推奨する理由の一つとなっています。

エネルギー量でいうと、1gあたりは糖質とたんぱく質は約4kcal、脂質は約9kcalとなっています。糖質を減らした分、同じだけのたんぱく質を摂ってもエネルギー摂取量が変わらず、肉を食べた場合には脂質も多く摂取されるので、エネルギー源の不足になることはないということです。

エネルギー摂取量が増えたとしても、糖質制限をすると太ることはなく、逆にやせる人が多いということで、糖質が大きく関係する糖尿病だけでなく、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)の予防、改善につながるとされています。

たんぱく質は身体を構成する成分であるので、あまりエネルギー源として消費されることは考えていない人も多いのは事実ですが、それは糖質が摂取できているからのことです。糖質が極端に少ない状態では、たんぱく質もエネギー源として使われます。

極端に糖質を減らす、ご飯を食べないというようなことを続けていると、筋肉や内臓を構成するたんぱく質がアミノ酸に分解されて、糖質のブドウ糖、脂質の脂肪酸と同じようにエネルギー代謝に使われます。

人間は体内でエネルギーを発生させないと生きていくことができないので、身体を削ってでもエネルギーを作り出そうとします。血液中のブドウ糖が少なくなりすぎると、血液中にあるたんぱく質を使って、これをエネルギー源のアミノ酸に変えていきます。

その血液中のたんぱく質は、全身に酸素を運ぶ赤血球と、免疫を司る白血球で、これが分解されると健康の維持に必要な血液成分が減っていくことになります。

それでも糖質制限を健康のためにすすめる医師がいることから、医師は本当に栄養と身体の関わりを知っているのか、ちゃんと学んでいるのかという疑問も湧いてきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕