健康・火の用心22 摂取タイミングがわかれば妙な健康食品がわかる

健康食品は、いつ摂取すればよいのかのタイミングを表示することも、広告や言葉で伝えることも禁止されています。摂取タイミングを表示できるのは医薬品に限られると法律に定められているからです。

脂溶性の成分は食事をして胃の中に脂肪分があるときでないと吸収されません。水溶性の成分は胃の中の水分で分解されるので、いつ摂っても吸収されます。脂溶性成分と水溶性成分の両方が使われた健康食品は、食後に摂ればよいということになるわけですが、そんなに簡単なことでもありません。

例えば、細胞内のミトコンドリアにブドウ糖を取り込む作用がある代謝促進成分のα‐リポ酸は、水溶性ではあるものの、胃液によって分解されやすいという弱点があります。食後に摂ると分解されて、α‐リポ酸ではなくなってしまうので食べたものが胃の中にないときに摂る必要があります。

α‐リポ酸によってミトコンドリアに多く取り込まれたブドウ糖は、ミトコンドリアのエネルギー代謝によってエネルギー物質のATPからエネルギーが発生します。そのときに作用するのがコエンザイムQ10です。そこでα‐リポ酸とコエンザイムQ10が一緒に使われたダイエット商品も数多くあります。

組み合わせると効果が高まるという発想は間違っていなくても、コエンザイムQ10は脂溶性成分で、食後に摂取しないと吸収されません。ということになると、いつ摂取してよいかわからない商品ということになります。

ダイエットでいうと、脂肪を吸着して吸収を阻害する難消化性デキストリンがありますが、その効果を高めようということで、他のダイエット成分が加えられた商品も数多く販売されています。難消化性デキストリンが吸着するのは脂肪だけではなくて、健康食品の他の成分も吸着して吸収されにくくなります。

吸収されないのに、成分として加えても意味がないことになりますが、このことに気がつくためには、素材の摂取タイミングや特徴を知っておく必要があるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕