健康・火の用心31 健康リーダーに望まれる“奇特な人”

“奇特”というと奇妙と特別の両方の言葉の一文字ずつを組み合わせた印象があることから、「奇妙で珍しいこと」という意味で使われることがあります。本来の意味は「優れて他と違って感心なこと」であって、妙な行動をする人のことではないのです。

文化庁の「国語に関する世論調査」では本来の意味で使っている人のほうが多いものの、誤用している人は増えてきていて、そのうち誤用のほうが増えてしまうのではないかとの懸念も抱かれています。というのは、テレビをはじめとしたメディアが誤った使い方を多くの場面でしているからです。ネットメディアは誤用のほうが多くなっています。

「自分のリーダーが奇特な人で困った」という話をしている人に会ったことがあります。非常に熱心で、それが気になるくらい良い人という意味で言っているのかと思ったら、そうではなくて、経営者としては優れていても人間性に問題があるという意味で、これは誤用であったことがわかります。

人間性に問題がある人は、いくら稼ごうと、偉かろうとついていく気はしないところですが、これが健康づくりのリーダーだったとすると自分の健康にも影響を与えてしまいます。

他よりも優れていて感心されるような行動で引っ張ってくれる健康リーダーである“奇特な人”に従って行動をしたいところですが、人間的には優れていても、古い情報のままで、情報更新なしで周囲に伝えている人もいます。

健康に関する情報は常に更新されています。以前は正しいとされたことが今では非常識になっていることもあります。若い世代には合っていたことが、高齢者に通じないということも少なくありません。それにも関わらず、昔の話を持ち出して、今でも通じる、高齢者でも関係があるという態度でリードしている人は、誤用のほうの奇特な人であると言われても仕方がないところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕