健康・火の用心35 “気が置けない人”のアドバイス

“気が置けない人”という言葉の意味を間違えていると、本来ならアドバイスを受けたり、リーダーとして従うべきではない人に対して誤った判断をしてしまうことにもなります。それが健康づくりのリーダーであったら、取り返しのつかないことにもなりかねません。

“気が置けない”というのは、「相手に対して気配りや遠慮をしなくてよいこと」を指しています。昔からの知人は、時間的にも距離的にも遠く離れていても、会った瞬間から、電話などで話をした瞬間から以前と同じ間柄、関係性が蘇ってきて、安心して付き合うことができるという安心できる関係です。

そのような昔からの知り合いでなくても、同じ地域で暮らしている、同じ価値観のもとに生活しているという間柄であったら、安心して付き合うことができます。個人的な知り合いでなかったとしても、共通の知人がいて、お互いに紹介してもらえるような関係であると距離感は一気に縮まります。

そういった関係性がある人を通じて、健康づくりのリーダーになってもらい、それを応援してもらえる関係でありたいと思うところですが、言葉の意味を間違えているというよりも、逆の意味で確信的に使っている人がいます。その意味するところは、「相手に対して気配りや遠慮をしなければならないこと」です。

油断がならない人という意味で使っている人もいます。“気が置ける”というのは、気が許せないという意味です。気が置けないというのは、気が置けるということを打ち消した言葉なので、気が許せるという意味になります。

文化庁の「国語に関する世論調査」の結果を見ると、正しい使い方をしている人は、誤った使い方をしている人を下回っています。その差はわずかではあっても、正しい使い方をしている人のほうが少ないので、どちらの意味で使っているのかは、しっかりと探っておいてから付き合うのがよいはずです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕