健康・火の用心4 健康スポーツによる“健康・火の用心”

日本健康スポーツ連盟が公益法人改革で財団法人から公益財団法人になる移行期に、私は理事を務めていました。臨床栄養出身ということもあって、健康スポーツの健康の面での栄養摂取の講習を担当していました。

日本健康スポーツ連盟という法人名から、健康のためのスポーツ、スポーツによる健康の活動という印象が抱かれがちです。健康スポーツの英語表記は一般には「healthy sport」となりますが、連盟は「health & sport」を使っていました。健康とスポーツの両方を担っているという意味で、それは公益財団法人になって所管が内閣府になる前に、厚生労働省と文部科学省の共同所管として発足された事情があります。

行政の範囲的には健康は厚生労働省、スポーツは文部科学省で、「healthy sport」だとスポーツだけになって、健康の面が薄れることになり、並んだ表記となったということです。

テーマの「健康・火の用心」ということでは、日本健康スポーツ連盟は予防医学の重要な位置を占めています。日本健康スポーツ連盟は、厚生労働大臣認定運動型健康増進施設の唯一の調査・指導団体で、同施設は有能な運動施設として全国で330施設ほどが認定されています。

同施設は医療機関に併設されるものや、医療機関からの紹介で運動療法を実施していて、健康運動指導士が運動指導を担当します。いつ利用しても、健康運動指導士がいなければならないので、複数の健康運動指導士が必要となります。医師の指示のもとに運動指導をすることから、医学的な知識も必要となります。

医療機関にかかっている人だけが施設の利用者ではないものの、生活習慣病の改善のために利用している人も予防の観点での運動となります。というのは、生活習慣病の高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)は病名がついていても、その先の動脈硬化、心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)に進行させないことが重要となります。

そこまで進んでしまうと、運動をしても改善は難しくなるので、まだ初期の段階で運動を実施することが大切になるため、これは予防の範囲だと考えられているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕