健康・火の用心40 “さわり”は話のポイント

メディカルダイエットの重要ポイントは「エネルギー代謝」であるということを伝えています。エネルギー代謝は全身の細胞の中で起こっている生化学反応で、これをわかりやすく説明するのは大変なのですが、ときどき「“さわり”を話してほしい」と言われることがあります。

その要望に応じて、エネルギー代謝は細胞の中のミトコンドリアのTCA回路でエネルギー源と酸素を用いて、エネルギー物質のATPを作り出すことだという説明をしています。エネルギーはATPが変化して発生することも続けて話をします。

そのためには、ブドウ糖をミトコンドリアに取り入れるためにα‐リポ酸、脂肪酸をミトコンドリアに取り入れるためにL‐カルニチンが必要であること、ブドウ糖と脂肪酸をTCA回路でエネルギー化させるために、すべての水溶性ビタミンが必要なことを話しました。

この話をしたあとに、「さわりと言ったのに話の要点を説明された」との反応をした人がいました。こちらとすれば、「さわりという要望だったので要点を話した」という認識で、そもそも“さわり”の意味を間違って覚えていたようです。

“さわり”の正しい意味は「話の要点」です。ところが、「話の最初の部分」と誤用している人が多いのです。文化庁の「国語に関する世論調査」の結果をみると、正しい意味で使っているのは35%ほどで、誤用しているほうが56%ほどと多くなっています。

これでは、さわりを求められて、話の要点を話した私が勘違いをしていて、さわりを求めてきた人のほうが正しいように思われて、会場から妙な笑いが出ることもあります。これを経験してから、さわりを求められたときには、さわりの正しい意味を簡単に説明してから重要ポイントを話すようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕