L‐カルニチンはダイエットを目的としたサプリメント成分として知られていますが、もともとは代謝が低い人に使われる医薬品の成分で、それが食品の成分としても使われるように許可されました。許可されたのは2002年のことで、すでに20年以上の使用実績があります。
エネルギー源のうちエネルギー量が高いのは脂肪酸で、1gあたり約9kcalとなっていますが、糖質の代表であるブドウ糖は約4kcalと2倍以上のエネルギー量があります。エネルギー量が多いだけ、体内で発生するエネルギー量も多くなります。
脂肪酸は細胞の中にあるミトコンドリアに取り込まれてエネルギー化されます。ミトコンドリアはエネルギー産生の小器官ですが、1つの細胞の中には200〜3000個もあって、すべてを合わせると体重の10%ほどにもなります。それだけ重要な役割をしているわけです。
脂肪酸は単独ではミトコンドリアの膜を通過することができなくて、L‐カルニチンと結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過して、中に取り込まれます。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、それ以降はL‐カルニチンの合成量が減ることによってエネルギー代謝が低下していきます。
年齢を重ねると、同じ食事をして、同じように活動・運動をしていても、だんだんと太っていくようになるのは代謝が低下していくからですが、その大きな原因がL‐カルニチンの合成不足なのです。
L‐カルニチンというとダイエットのための成分と認識されているかもしれないのですが、細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。細胞の中で多くのエネルギーが作り出されると、そのエネルギーを使って、細胞の中の生化学反応が起こります。
身体を構成する成分の合成、ホルモンや神経伝達物質などの合成も、エネルギーによって行われているので、L‐カルニチンの摂取によって全身の健康度を上昇させることができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕