ウォーキングの世界を初めて知ったのは、病院栄養管理の研究所の主任研究員を兼務しているときのことで、研究所長が栄養摂取と運動の組み合わせによる血糖値と中性脂肪値の降下について研究する中で日本ウオーキング協会と知り合い、会合に一緒についていきました。ウォーキングは有酸素運動としての歩行のことで、日本ウオーキング協会は一般にイメージされるウォーキングとは違った側面もあることから、あえて“ウオーキング”を固有名詞として使っているところがあります。
日本ウオーキング協会は全国で開催されるウオーキング大会の長距離コースを歩くことを重視していて、1日に50km、これを3日間別コースで歩くという強行軍もあります。これが続いているのは、地球1周分の4万kmを歩くことを目的とした記録制度があり、公式大会で歩いた距離だけが記録され、達成者は表彰される制度となっています。
私は公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事を務めていましたが、当時の理事長は日本ウオーキング協会の理事であり、同連盟の理事に日本ウオーキング協会の常務理事が就任していたこともあり、ウオーキング大会の支援や資格認定教育(ウオーキング健康指導士など)にも関わってきました。
日本ウオーキング協会の元会長の宮下充正先生(医学博士・東京大学名誉教授)は、より効果的な有酸素運動と生涯スポーツとしてのウォーキングを進めるために、全日本ノルディック・ウォーク連盟を立ち上げました。これは北欧発祥で、夏場のスキーのトレーニングとして始まった2本のポールを用いたアクティブなノルディックウォーキング(ポールを後方に突く)とは異なり、日本で誕生したディフェンシブ(ポールを前に突く)のノルディック・ウォークです。テニスでいえば、世界的な硬式テニスに相当するのがノルディックウォーキングで、日本で誕生したソフトテニス(軟式テニス)に相当するのがノルディック・ウォークとなります。
有酸素運動としては圧倒的にノルディックウォーキングのほうがポールを使ってグイグイと前進していくので強度が高くなっていますが、ノルディック・ウォークはポールを前に突いて4足歩行のようになることから安定感があり、上半身も使うことから、普通に歩くのに比べたら20%ほども効果が高くなっています。
このメリットを活かそうと始めたのが、次回に紹介するインターバルウォーキングです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)