健康思想10 歯の形と本数から考える食事内容

歯の形と本数から栄養バランスを考えることについては前回(健康思想9)紹介しました。それを受けて、何を、どれくらい食べるのがよいかということを考察していきます。

歯の種類と数から考えると、肉食が増えてきたことから現状の食事では犬歯が上下に4本ずつあってもよいような状況になっています。また、あまり噛まずに済む食生活では臼歯の本数が少なくてもよいような状況ともなっています。

しかし、歯の形と本数から考えると、食べすぎの肉を減らし、野菜や穀類、豆類を増やすべきで、これによって血管に負担をかける脂肪を減らし、血圧や中性脂肪値などを安定させるために役立つ食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く摂ることができます。

将来的に生活習慣病を予防するための食生活を身につけるためにも、歯のバランスに合った食事内容を考えるようにしたいものです。

野菜の摂取量を日本とアメリカで比較すると、日本人のほうが多く食べているような印象があります。昭和50年代までは日本人は野菜に多く含まれる食物繊維の摂取量が多いために大腸がんは少ないものの胃粘膜を傷つけやすいために胃がんが多くなっていました。アメリカでは逆に胃がんが少なく、大腸がんが多くなっていました。

しかし、日本人では野菜の摂取量が年々減少傾向にあることに対して、アメリカ人では健康志向の高まりから増加傾向になりました。アメリカ人でも今では野菜の摂取量は減少傾向にありますが、それでも日本人よりも多いのが現状です。

人間の歯のバランスに合った食事が最もよい栄養バランスということになりますが、これに合致しているのは昭和30年から40年前半の日本人の食事だったといいます。平均寿命が大きく延び、生活習慣病が少ない理想的な状態だったわけです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕