健康思想9 歯の形と本数で栄養バランスを考える

健康を維持・増進させるための基本は栄養であり、その栄養バランスというと、糖質、脂質、たんぱく質に、ビタミン、ミネラル、食物繊維を加えた六大栄養素が基本とされていますが、私たちは少し違った目線から考えています。

それは歯の形と本数から噛むことの重要さを考えることで、歯のバランスから考えています。

歯は歴史的に食べてきたものに相応しい形と本数になっています。人間の歯(永久歯)は上下ともに前歯(門歯)が4本、犬歯が2本、臼歯が8本で、上下合わせて32本となっています。前歯は野菜や果物を切る歯であるのと同時に、穀類や豆類などを粗く噛んで細かくする役割をしています。犬歯は肉や魚を切り裂く役割があり、臼歯は粗く噛んだものをすり潰す役割があります。

これに対して、犬の歯は42本あって、切歯(前歯)12本、犬歯4本、前臼は16本、後臼歯10本で構成されています。上下の歯の位置がずれていることから臼歯も刃物で切るように働き、肉類を食い千切り、噛み砕くのに適した形状となっています。

草食動物の牛は上側の切歯と犬歯がなくて、上側に12本、下側に20本ある歯は穀類や野菜を食べるのに適した形状の大きな臼歯になっています。

人間の場合には雑食であることから、草食動物と肉食動物の両方の特徴がある形状となっていて、すべての食品を食べてきたことで現在の形と本数になっています。これは原人から進化したときに雑食になったからだとされています。

猿の歯は人間と同じく前歯、犬歯、臼歯の組み合わせで合計32本となっているのですが、歯の形は犬歯が大きいなど人間とは少し変わっています。

この違いは人間が、すべての食品を食べることができる生物の頂点に立ったからで、雑食に相応しい形に変化してきた結果といえます。健康の基本となるのは、歴史的に食べてきたものと同じ食生活をすることで、それだけでは不足するものを補っていくことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕