健康流通:概論4 健康リテラシー向上の例としてのダイエット

健康に関わる情報は、何を伝えるかよりも、誰が伝えたかが重視されるところがあり、ネット情報よりも書籍で語られていること、テレビ番組でも評論家よりも医師が語っているほうが印象に残り、実践しようという気になる人が多いのは当然ともいえます。

健康情報といっても、日々の歩き方、抗酸化作用がある食べ物の種類といったことであれば、少々の違いがあっても大きな問題にはならないという考えもあって、誰が話しても受け入れられるところがあります。ところが、健康を大きく左右する情報となると、なんでもよい、誰でもよいというわけにはいかなくなります。

間違った情報は、健康を害することにもなりかねません。このような場合に注目されるのは健康リテラシーという考え方です。健康リテラシーは「健康や医療に関する正しい情報を入手して、理解して活用する能力」を指しています。

その健康リテラシーの能力を向上させるためには、身近に感じられる情報を例として見ていくことがすすめられます。その一つとして、ダイエットから考えていくことにします。

ダイエットは一般には「やせること」「やせるために食べる量を減らすこと」といったイメージが抱かれるかもしれませんが、目的が何であったとしても、その方法が健康を害するものであってはいけないはずです。なぜならダイエット(Diet)は元々は「方針、戦略、戦術、戦法、作戦」といった意味があり、正しい方針に基づいた行動を示すようになり、そこから食事療法、運動療法がダイエットと呼ばれるようになりました。

ダイエット産業は、実際に効果があるのかわからない商品、実際の効果以上に騙すような表現で販売されている例もあります。そもそも目的に合った方法なのか、効果が合ったとしても目標に合致したものなのか、自分の体質や生活に合ったものなのか、といった疑問があり、それが伝えられないまま販売されている例、よく確認しないで購入している例が数多く見られます。

どんなに効果があるものであっても、使い方がわからないと、正しく使わないと、せっかくの効果が得られなくなります。そこまで考えてから、広告や記事、ネット情報などを見るべきであって、それをクリアして手に入れた商品を有効に使うようにしないことには健康リテラシーを高めることはできないことになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕