健康食品の意義を今、考え直す

健康食品は、あくまで食品です。健康食品は利用者が医薬品と勘違いして薬をやめたり、医療機関に行かなくなるようなことがあると健康被害につながることから、医薬品を思わせるような広告表現は規制をされています。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長は食品表示の専門講師で、健康食品の機能性と法律の講習を実施している関係から、何を摂ればよいのか、どう摂ればよいのかの質問とともに、違法となる表現の見抜き方を聞かれます。違法となる表現、つまり医薬品のようなことを言って騙そうとしている会社を見抜いて、正しい商品を使いたいという趣旨の質問もあります。しかし、医薬品のような表現が本当なのか、本当なら使いたいので教えてほしいという要望も寄せられます。
これは健康食品を、医薬品の代わりに使いたいという希望があるからです。健康食品については、以前は不足する栄養素を摂るためのものというよりも、医薬品のダメージを避けて同じような効果をあげたいと考える人が使っていると考えられていました。だから、販売している会社は医薬品と思わせるような表現をしてでも、なんとか売ろうとしているわけです。
違法であることを指摘された会社の中には、「実際に効果があるものを、必要としている人に使ってほしいから、そのような表現をした」ということを堂々と言っているところもありました。「実際に効果があるなら、それもありか」ということではなく、法律(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって規制されているので、それが真実であろうと言ってはいけない、表示することはできないのです。
薬の代わりに健康食品を使いたいという一般の要望は依然として強くあるのですが、それよりも医薬品の効果を高めるため、医薬品の副作用が心配なら副作用を弱めるために使うという方法があり、そのほうが正しい使い方ではないかと考えています。
このような考え方は、以前はビタミンやミネラルに期待されていたことですが、ビタミンやミネラルでは限界があります。これに代わるものとして注目されているのがヒトケミカルです。ヒトケミカルは代謝に必要な成分で、複数のものがありますが、この中でも体内で合成されるものの、年々減少していくものを三大ヒトケミカルと呼んでいます。三大ということは3種類ということですが、それはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の3種類です。以前は医薬品としてしか使われなかったものが今では食品としての販売も許可され、サプリメント成分となっています。
これらの内容については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
ダイエットサプリメントではα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は定番素材です。そのためにダイエットのための成分と思われがちですが、糖質と脂質を細胞のミトコンドリアに取り込み、ミトコンドリア内で燃焼させるために必要不可欠の成分です。だから、体内で合成されているのです。ダイエットだけを考えるなら糖質と脂質の燃焼の効果を見ればよいことになりますが、三大ヒトケミカルで本当に注目しなければならないのは燃焼して作られたエネルギーの発生量です。エネルギーが多く作られれば、それだけ全身の活動が高まり、ビタミンやミネラルも健康食品も、そして医薬品も有効に使うことができるようになり、肝臓での解毒能力も高まることになります。
三大ヒトケミカルだけを摂ればよい結果が得られるという人もいますが、三大ヒトケミカルを他のものと組み合わせることで期待する結果が得られるという考えから、代謝が低下してきた年齢、つまり三大ヒトケミカルが不足してくる年代から使ってほしい成分として紹介しています。