健康食品の法規制9 身体の機能への影響は禁止事項

医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の第2条の定義では、医薬品とは何かということが示されています。医薬品でないものは、医薬品と同様の表示をすることが禁止されています。

前回に続いて、定義の3番目を見ていくと、「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの」と書かれています。

人間に使うものではなくて動物用の健康食品だからといって規制を逃れようとした例も過去にはありましたが、「人又は動物」と書かれているので、その言い逃れは通用しません。

疾病だけでなく、身体の構造・機能に影響を及ぼすことが目的とされるものも医薬品だけに限られるということで、身体に影響を与えることについて健康食品は表示することもできないということです。

どのような表現が規制の対象となるのかというと、以前は見逃されていたところがある「血液サラサラ」も「抗酸化作用」も「リラックス効果」も、これに使われる医薬品があることから医薬品的な効能効果に該当します。

この他にも取り締まられた例をあげると、「疲労回復」「体力増強」「食欲増進」「心身代謝を盛んにする」「老化防止」「若返り」「アンチエイジング」「免疫機能の向上」「集中力を高める」などで、随分と厳しくなっています。

このような用語は、消費者庁はロボット型検索システムを使ったキーワード検索によって発見しています。ロボット検索はトップページや2層目のページでは探せても、3層目以降は苦手とされていることから、クリックして進まないと見ることができないページに書かれることがあります。

しかし、キーワード検索で引っかかった用語をもとにしてネット検索する専門家もいて、深い層のページだから隠せるということは今はないのです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕