健康食品 敵か味方か28 不足を知って何を摂るかを考える

サプリメント(supplement)は、もともと補助、補充、補完といった不足するものを補うという意味があります。一般にサプリメントと呼ばれているのは、ダイエタリーサプリメントで、これは食事で不足するものを補うものを指しています。

ダイエタリー(dietary)は食事や飲食物を意味する言葉で、一般にイメージされるダイエットのための食品という意味ではありません。ダイエット(diet)は食事、食生活、食事療法を指しています。(日本では間違った意味が広まっているようです)

不足している栄養素があれば、それを補うことが必要ですが、何が不足しているのかわからない状態では、補いようがありません。まずは何が不足しているのかを知ることで、その確認のために使っているのが「食生活チェック表」です。

一般に食生活の内容を知るための方法というと、1週間に食べたもの、飲んだものを書いてもらって(今では写真で記録するという方法も)、各食品に含まれている栄養素を計算して、過不足が確認されています。

この方法は食事内容を提出するほうも、提出されたものから計算をして指導内容を作るほうも大変な手間がかかります。そこで私が代表を務めるNPO法人日本メディカルダイエット支援機構が採用しているのは、1週間に食べた食品の回数をチェックしてもらうもので、これによって食傾向を確認するというものです。

食傾向は、ほとんど変わることはありません。よほど大きな出来事(病気をした、環境が大きく変わったなど)がなければ、本人は変えているつもりでも大きくは変わっていないというのが普通のことです。

食べているもので栄養素の過不足がわかったら、運動や病気などの状況に合わせて、積極的に摂るべきもの、逆に減らすものを指摘していきます。理想的な内容がわかっても、急に変化させることはできないので、その改善までの間にサプリメントを活用するということを基本としています。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕