健康食品は、医薬品と勘違いされないために、摂取タイミングを表示することは許可されていません。医薬品と勘違いするような表示をすると、本来なら医薬品を使わないといけない状態であるのに健康食品を使って、これが病気を悪化させることにもなりかねないというのが、その理由とされています。
摂取タイミングというのは、いつ摂るかということで、医薬品の使用の際に示される食前、食後、食中という表示が相当します。医薬品の摂取は食事に影響されるので、食事の前後か、食間(食事と食事の間の空腹時)が摂取タイミングとなります。医薬品は吸収されすぎると弊害(血糖値や血圧が急低下するなど)が起こるので、それを抑えるために食べたものによって吸収が低下する食後の摂取がすすめられています。
これに対して健康食品は、水溶性か脂溶性かが重視されます。水溶性の成分であれば、いつでも吸収されるのに対して、脂溶性の成分は胃の中に脂肪があるときでないと分解されず、吸収もされません。脂溶性の成分を空腹時に摂取したら、素通りしてしまうということです。
では、水溶性の成分なら、いつ摂ってもよいのかというと、摂取タイミングが存在するものもあります。その代表的なものはL‐カルニチンです。L‐カルニチンは代謝促進成分で、脂肪酸を細胞のミトコンドリアに通過させるために欠かせないものです。
L‐カルニチンは肉類に含まれている成分でもあって、たんぱく質と相性がよく、たんぱく質は豊富に含まれる肉、魚、卵、牛乳、大豆と一緒に摂ると吸収率が高まります。そこで効果的な摂取タイミングは食事でたんぱく質が多く含まれる食品を食べた後ということになります。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕