健康食品 敵か味方か49 製品を輸入していないのに販売できる例

海外で販売されている健康食品は、そのままの製品が輸入される場合があれば、輸入する国の法律などに合わせて内容や配合量を変更して製造する場合、同じ種類の素材を輸入して日本で商品化する場合もあります。

海外で販売されている健康食品を、そのまま輸入して日本で販売する場合には、そのままのパッケージの上に、日本の法律に合わせた表示を貼って販売するのが一般的です。

海外の健康食品と同じものを日本で販売している企業があります。パッケージや説明書を見て、海外の製品と同じ成分名が並んでいると、その中身も海外と同じと考えがちですが、ほとんどの場合は、そうではありません。

製品化されたものを日本向けのパッケージに入れて輸出しているわけではなくて、健康食品に使われている素材を輸出しています。その素材を輸入しているのは製造会社の場合と、その間に素材の輸入会社が入っている場合とがあります。

製造会社の場合は、海外の会社から同じ素材を輸入しているのですが、素材の輸入会社が仲介している場合には、必ずしも海外の会社の製品と同じ素材であるとは限りません。同じ素材名であったとしても、別のところから輸入した素材を使い、素材名としては同じものを使って製造していることがあります。

この素材を輸入する会社は製造専門の会社に送られて、健康食品の形状にされます。その後には国内の販売会社が提供するパッケージなどを使って、その会社が販売する製品が作られます。

このような仕組みを知っているのは、健康食品の販売の表示の法律講師を東京で務めていたときに、コンサルタント先の会社が、海外の訪問販売会社の製品に使われる素材を輸入する会社であったからです。

どこの会社が、どんな素材を組みわせて国内で製品化しているのかという情報を知らせてもらって、日本で使うことができる素材なのか、素材として使ってよい分量に合っているのかというチェックをしていました。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕