健康食品 敵か味方か51 体験談が広告にならない雑誌の基準

健康雑誌が最盛期だった時代には、雑誌の記事が健康食品の体験談になっているというのは当たり前の光景でした。10ページを超える体験談が連続して何本も載っている状態でしたが、これだけでは販売につながらないということで、購入方法が掲載されています。

その多くは広告で、体験談の記事と合わせて読むことで、広告では触れていない効能効果を知って、注文をしてもらおうという戦略です。そんな記事広告が法律違反とされたことがありました。

同じ体験記事と広告が一つの雑誌に掲載されていても、一方は全部が広告と判断されて法律違反となり、もう一方は記事と広告と区別されて、これは法律違反とはなりませんでした。その違いは連続して掲載されているかどうかという点だけです。

体験記事の後のページに広告が掲載されていると全部が広告、体験記事と広告の間に別のもの(記事、他商品の広告)が入って分断されていると別物という判断です。体験記事の最後のページがあって、そこからページをめくったら、右側に別の記事、左側に体験記事とつながる広告があっても大丈夫という判断でした。

このようなことがあったので、健康雑誌は健康食品の絶好の販売の機会となっていたのですが、世の中がネット時代になり、さらにテレビの通販番組が盛んに流されるようになってから健康雑誌の販売数は激減しました。

老舗の「健康」はページ数が薄くなって月刊から季刊(年4回発行)になり、歴史の長い「爽快」と「安心」は出版社の倒産で別の会社に発行権が移りました。他にもページ数が減る、発行回数が減るといった状況が続き、今では体験記事が1種類という健康雑誌もあります。

逆に、これをチャンスとみた健康食品販売会社もあって、ライバルの記事も広告も載っていないということで好調な売り上げを続けている会社もあります。その会社は、東京でコンサルタントをしていたところで、しぶとさには脱帽感覚です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕