健康食品 敵か味方か6 アドバイザリースタッフへの期待

厚生労働省が「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方」という通知を2002年に出したのは、健康食品の情報を正しく伝える専門職を増やしたいとの意図がありました。

健康食品は、法規制によって医薬品的な効能効果を表示することができないことから、自分の状態に合った素材が何なのか、どんな素材の組み合わせが効果が高いのか、どれくらいの量を摂ればよいのか、いつ摂ればよいのかはわかりません。

これは医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」に書かれていることで、このような消費者が知りたいことは医薬品にだけ許可されていることです。

健康食品の表示を見ても、「1日○粒を目安に」ということしか書かれていません。
このように消費者が知りたいことを知ることができないので、こういった知識をアドバイザリースタッフから聞いて、自分で学んで、賢く使ってもらいたいという考えがありました。

それから20年を経ても、消費者が賢く選んで、賢く使えるような状況にはなっていません。それはアドバイザリースタッフが学んでいない、知らないということではなくて、店舗や通信販売を通じての販売では、ここまでのアドバイスをして販売する余裕がないことがあります。

また、消費者が知りたいことを、すべて伝えて販売することは、医薬品的な効能効果と用法用量(いつ摂るのか、どれだけ摂るのか)を伝えることになり、これも「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」では禁止される行為となっているからです。

専門家が教えてくれないなら、自分で学ぶしかないということです。健康食品は一般の食品に比べたら価格が高いものなので、適したものを選び、有効に使うのは無駄を省く時代には当たり前の行動といえます。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕