悩みを抱えているとき、悩みを解決しようと踏み出すときに誰かに相談しよう、自分自身を変えるように行動しようと考える人は多くいます。何を相談しようとしているのかによって適した相談相手が違っています。
私が所属したことがある団体には倫理指導という仕組みがあって、自分の考えや行動が正しいのか、改善のために何をすればよいのかを純粋倫理に基づいて指導を受ける機会が設けられています。
倫理指導を担当するのは純粋倫理を学んだ経験豊富な相談役で、自分で考え、自分で行動して目的とすることに近づいていく“戦術”を導き出してもらっています。私が、この文章を書き残すことを決めたのも倫理指導がきっかけです。
指導を受けて、その通りに進めばよいということではなく、自ら決めて行動するということは他に比較することができるものはないと認識していますが、それを承知で占い師を引き合いに出していきます。
占い師をあげたのは、自分を対象にしないという大原則があるからで、占い師は自分を占うことはしません。自分が伝えることに揺らぎが生じてはいけないからで、自信を持って伝えなければ、それを受けた人が安心して行動することができなくなるからです。
占い師は自信がない人が自信を持って進めるように後押しする役割だけに、占いに頼るのは自身のなさを示す行為になるからです。
また、自分を占うことは、自分の都合のよいように導くことにもなるからで、これは自分自身だけでなく、占いを頼りにして相談をする人に自分の考えを押しつけることにもなりかねません。
対面した人の悩みを聞き出し、その悩みの中に見え隠れする相談者の気持ちを明らかにしてあげるためには、占い師が自分自身の感覚や感情に左右されるようなことがあってはいけないということもあげられます。
倫理指導を受けた人は、これまでやってきたことを振り返り、自らがやりたいこと、なりたい自分を考え、それを目指して変化していく機会を得て、変わっていくスタート地点に立つことができます。スタート地点に立って、そこから先どのような行動を取るかは自分次第です。
占い師は、これまでの経験から本心としては指導したいことがあっても、それを抑えて決めつけないものの方向性を示すのが役割で、そのために「偽る能力」を使うことがあります。本音をぶつけてはこないものですが、倫理指導は本音を引き出すために厳しい言葉をかけることがあります。倫理指導を受けた人は、本音には本音で応え、変わった姿を見てもらうことを励みに頑張り続けます。
倫理指導を受けたことを伝え、その後の前進のために周囲の余計な声や関わりを避けるために「偽る脳力」を発揮することは、私自身も含めて、よい結果を実現するためには必要なことであると考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕