考え方や方向性の違いだけでなく、なんとなく肌が合わない、波長が合わないという人との出会いは、いつでもあることです。違和感を感じながらも、必要な人とは付き合っていくというのが社会人の常識とされていることから、本音を隠してでも付き合う「偽る脳力」は誰もが程度の差こそあれ、当たり前のように発揮しています。
多くは無意識のうちに行っていることで、これを意識して行うのはエネルギーを使うことであり、真剣に付き合って、一緒の方向を向いて進んでいくパートナー(個人的にもビジネス的にも)と考えるときには、反りが合わないことがあるのは仕方がないことです。
目的も目標も、そして実践するための方法も同じであっても、最終的に目指すところが異なっていると、「こんなに馬が合う人はいない」と周囲から言われるような関係であっても、やはり一緒に歩めないこともあります。ナンバーワンを目指す人と、オンリーワンを目指す人といったようなことでも合わないと感じることはあります。
そのように感じているときには、相手も同じように感じていることがあります。自分が「偽る脳力」によって無理をして付き合うのは疲れてしまい、長続きしないと思っているときには、相手も自分を偽って付き合いたくないと感じています。
お互いに「偽る脳力」を発揮してもズレが修正できないときには、離れることも必要になります。本当に方向性などが一致していたなら、どちらか一方の、もしくは両方が変化することによって再び一緒に行動する機会は訪れます。
どのように変化するのか、それは自分の変化を自分自身で感じる楽しみであり、相手の変化を見守っていくことも楽しみとなります。
そのためには、反りが合わないからといって訣別することはなく、深く付き合うようになる前の関係を保って、淡々と過ごす態度も必要になります。相手が関係を断ち切ってきたときは仕方がないとしても、少なくとも自分のほうからチャンスを逃すようなことはしないことです。そして、お互いに変わったときに、再び出会うチャンスがあるように、お互いに共通するところには身を置いておくことです。
自分にとって、もう終わったのかと感じたことでも再び巡ってきて、以前よりもよい関係、一緒に行動することによって社会に大きな影響を与えることができるようになったということは、どれも感情を表に出すことなく、自らの「偽る脳力」の成果を信じて待ち続けてきた結果です。
どうして、このようなことが可能なのか、それは脳の調整能力を知ることによって理解できるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕