偽る脳力80 中性脂肪対策のサプリメント

血液中の中性脂肪が多くなりすぎると動脈硬化のリスクが高まります。その対策として初めに使われる健康食品・サプリメントは脂肪分解抑制作用のある難消化性デキストリンです。

脂肪は胆汁酸によって包まれた胆汁酸ミセルとなって小腸に運ばれ、胆汁酸ミセルから脂肪が放出されて吸収されますが、難消化性デキストリンには胆汁酸ミセルを安定化させて、脂肪の放出を抑える作用があります。

また、難消化性デキストリンには脂肪を吸着する作用があって、吸着された脂肪は結合サイズが大きくなって、小腸から吸収されにくくなります。このほかに吸収を抑制する素材としてはキチン・キトサンがあげられます。

肝臓では、脂質、たんぱく質、糖質(炭水化物)を材料にして脂肪酸が合成されていますが、その合成を抑制する働きがあるものはガルシニア、紅麹です。

脂肪細胞に蓄積された中性脂肪はアドレナリンの分泌によって分解が促進され、脂肪酸は血液中に放出されます。β3アドレナリン受容体の反応低下によって運動をしてもホルモン感受性リパーゼが活性されにくく、中性脂肪が分解されにくい遺伝子タイプの人であっても、受容体を経由せずに分解を促進させます。この働きがあるのはキノコ・キトサンとコレウスフォルスコリです。

血液中の脂肪酸は細胞に取り込まれますが、細胞の中でエネルギーを作り出すミトコンドリアに脂肪酸を通過させるためにはL‐カルニチンが必要です。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、合成のピークは20歳代前半で、それ以降は脂肪酸の吸収が低下します。それを補うのがサプリメントのL‐カルニチンです。

ミトコンドリアの中でエネルギー産生をするTCA回路の働きを高めるものとしてはビタミンB₂、分岐鎖アミノ酸があげられます。

TCA回路で作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を多くして代謝を高めるものとしては、クレアチン、コエンザイムQ10、パントテン酸があげられます。

血糖値が上昇して膵臓から分泌されるインスリンには、肝臓で脂肪を合成する作用もあります。

血糖値が上昇するほど血液中の脂肪(中性脂肪)が増えていく仕組みが体内にはあるので、中性脂肪値を抑制するためには脂肪が多く含まれる食品を控えるだけでなく、血糖値を上昇させるブドウ糖が多く含まれる糖質の抑制、そして血糖値を抑制する健康食品・サプリメントを使うこともすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕