偽る脳力92 キャッチボールの相手が変わっていた

物事を進めるための対話は、キャッチボールによくたとえられます。ボールのコースや速度、球種(ストレートやカーブ、スライダーなど)だけでなく、ピッチャーの投球姿勢、投球パターンなどによってキャッチャーの捕球も違ってきます。

投球はピッチャーとキャッチャーの会話にたとえられることもあり、心理面の変化は次の投球にも影響を与えます。

構えたところに投げ込まれれば取り損なってパスボールをすることもなくなるのでしょうが、要求とは違ったコースにボールがくると、取り損なってしまい、これが勝敗を左右することにもなりかねません。

ゲームに使われるボールは1個が大原則です。ボールの交換をしない限りは別のボールを使うこともないし、2個のボールがあって、どちらを補給して送球してよいかわからないということも起こりません。

ところが、対話のキャッチボールは、自分と相手の1対1で進めてきたはずなのに、こちらが目を離した隙に、別のところにボールが投げられていて、そのボールが戻ってこないためにキャッチボールが続けられないということがあります。

グローブの中にボールがあるものと思っていて、いつまでも投げてこないと待たされているうちに日が暮れてしまった、何日も経ってしまったということが対話のキャッチボールでは起こります。これは待っている時間を無駄にされた、まるで時間泥棒をされたような形です。

キャッチボールは、試合ではないときには1個のボールを3人でキャッチし合うということもあります。

初めに投げ合っていた2人に、もう1人が加わって、初めの2人が優先、少なくとも3人が平等だと思っていたのにメインが他の2人になり、たまにしか投げてこない、いつの間にか自分が外されて2人だけのキャッチボールになっていたということも起こります。

この話は、もう1人が加わって3人でキャッチボールをすることを言われて、納得したうえでということを前提にしていますが、知らないうちに私が投げたボール(企画内容や成果)を別の人とのキャッチボールに使われていたということが実際にありました。

しかも、そのキャッチボールの相手が、私が紹介した人であって、自分を外して対話をして、初めに企画していたことが、すべて2人だけのものになったという経験から、キャッチボールは2人だけの間でしかやらないと決めました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕