岡山に移住して、今年の4月で7年になりました。岡山では子どもの支援に取り組むようになりましたが、東京にいたときには公益団体を通じたり、社会福祉の研究が中心で、直接的な支援は臨床栄養での小児肥満や摂食障害などの個別対応くらいでした。
子どもの支援の中でも発達障害児に対しては、岡山県内で支援施設の運営をする特定非営利活動法人の設立の支援をして、監事も務めています。
発達障害児支援施設のレベルはピンキリですが、私が巡り会えたのは医療スタッフの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが個別に対応する特殊な療法を実施していて、多くの関係者に注目されています。
発達障害児は子どもの10人に1人の割合で、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害のほかに学習障害があり、その対応が遅れていることは岡山県だけでなく、全国で問題となっていました。
その対応を的確に実施する方法が確立できれば、全国の発達障害児、その保護者の支援にもつながるという思いもあって、学習障害児童のための学習塾を運営する一般社団法人の設立にも、ここでも監事を務めていました。
先に書いたことと重なることですが、活動を始めたときには、知的な能力に支障はないのに学習障害のために充分に学ぶことができずに苦しんでいる子どもの支援を最優先させていて、私も力を入れて応援していました。学習障害専門の学習塾としては問題のない内容で、通塾する子どもも増えて、運営は安定してきていました。
ところが、発達障害児支援でよく指摘される「子どもが金に見える」ということが見えてきて、最後には一般社団法人に保護者が支払っていた学習塾の費用が、知らないうちに別法人の収入にされていました。
監事の役割としては、問題を知ったからには糾弾すべきだったのでしょうが、支援を受けている子どもには学ぶ機会が継続することが重要で、運営法人が揉めているようではよい結果にならないとの判断から、監事を辞することになりました。
それまでにかけた時間は、泥棒されたというよりも、自分から捨てたようなところがあるのですが、一つだけ時間泥棒をされたと思うしかないことがありました。
それは学習塾の活動を広く知ってもらうための書籍で、共著者として半分以上の原稿を提供しました。しかし、発行後に数冊受け取っただけで、原稿料もなく、私の原稿が教育の使われていることを後になって共通する知人から聞きました。
そのような時間泥棒の経験は何度もしてきましたが、その被害に今後が遭わないようにしたいという思いよりも、少なくとも自分が時間泥棒の加害者にならないこと、そのためにすべきことを全部するという考えに至りました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕