免疫向上にマヌカハニーは役立つのか

新型コロナウイルス感染拡大対策としてロックダウン(都市封鎖)を行ったオーストラリアが再び感染拡大となっているのに対して、お隣のニュージーランドはロックダウンが成功して市中感染ゼロを記録しました。その原因を探ることをテーマにしたテレビ番組で、ニュージーランド特産のマヌカハニーを取り上げていました。本格的なニュース番組で、このようなことを取り上げることはなく、どちらかといったらバラエティー型のニュース番組の中でのことでした。
マヌカハニーはニュージーランドだけに自生するマヌカの木に咲く花ならミツバチが集めた蜂蜜です。発酵によって抗菌作用が高まり、インフルエンザ予防が期待できるというので喉が商売の人たちに愛用されて有名になりました。抗菌成分であるメチルグリオキサール(MGO)が含まれ、このMGOの含有量によって価格が違ってきます。日本では超高級品扱いであるために、500gで2万円を超えるものもあります。もともとは、胃がんの原因とされるピロリ菌を除去する唯一の食品として知られ、研究が進む中で、さまざまな効能効果が知られることとなりました。
ニュージーランドではマヌカハニーを摂っているから新型コロナウイルスに負けずに、国民的な手段免疫がついていったと説明する人もいますが、ワクチンも治療薬もない段階で、そこまでの期待はできないはずです。一時期、マヌカハニーを扱っているチェーン店に「細菌&ウイルス撃退パワー」「免疫力アップ」と表示して販売されている商品がありました。この表示の内容が本当のことだったら期待している人にはよかったのかもしれませんが、新型コロナウイルスには無力であるのは仕方がないことです。
マヌカハニーを摂っていれば、他の細菌を退治することで、免疫細胞が余計なものと戦うのが少なくなり、それだけ免疫が向上するという考えもあるものの、マヌカハニーさえ摂っていれば免疫が高まるというのは期待しすぎではないでしょうか。