発達障害児は、発達障害があるだけで発達障害児となっているわけではありません。発達障害があることに加えて、社会的障壁があることによって生活や行動に支障が出ることになって、初めて発達障害児となっています。もしも、社会的障壁がなければ、発達障害児として困難さを抱え、苦しむことがないということです。
しかし、実際のところは、発達障害がある子どもは、発達障害児となっています。つまり、社会的障壁は、ずっと続いているということです。社会的障壁は法律や制度、学習環境、就職、結婚など、さまざまなものがあげられていますが、それを生じさせているのは社会的な理解の不足です。
発達障害のことが正しく理解されていない、発達障害の特性が理解されていない、そのために発達障害がある人を苦しめる原因となっているということで、発達障害がある子どもを発達障害児にさせているのは、充分に理解していない人、場合によっては自分自身ということもあるということです。
認知症サポーターは厚生労働省が主導して、全国で養成講習が実施されているのに、発達障害を支えるサポーターは、まだ誰も着手していません。もしかして自分が発達障害児を増やしているかもしれないとしたら、個人が率先して発達障害児のサポーターになるべきであって、国の主導ではなくて、個人が率先して養成に取り組んでいくのが当然のことではないでしょうか。
ということで、発達障害児を理解して支える立場として「児童発達サポーター」を養成するための講習を、個人レベルの集合体である地域から始めていくことを目指して、協力者の組織化と講習の準備を進めているところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)