メディアの方に繰り返し質問を受けてきたことに“別腹”があります。
お腹一杯に食べたはずなのに、お菓子が食べたくなることがあります。もう食べられないという状態まで食べた後でも、目の前にお菓子を出されると食べられるようになることがあります。これ一般に“別腹”と呼ばれる状態です。
これは実際には胃は食べられる状態なのに、脳が満腹を感じているだけだ、と説明されることがあります。それを確かめるために、もう食べ物が胃に入らないという状態まで食べてもらってから、好みのお菓子を目の前に出す、という実験をしたことがあります。
レントゲンを使って、お菓子を出したときに食道や胃が、どんな動きをしているのかを確かめたところ、お菓子が差し出された瞬間に、胃が蠕動運動を始めて、胃の中のものを十二指腸へと送り出し、胃の上部に食べ物が入る空間が作られました。これは、せっかくの食べ物を少しでも体の中に取り入れるチャンスを逃さないようにするために起こっていることです。
食べ物なら何であっても“別腹”が起こるわけではなく、美味しいもの、食べたいものでないと胃に空間ができにくくなっています。気持ちが体に影響を与えている一つの証拠とされています。