前提が違ったら間違い情報になりかねない

次の世代に伝えていくべきこととして広まっていることは、今の状態が継続していることを前提としています。過去の名著、名言は、著名な人の言葉であるほど説得力をもって伝えやすいので、安易にとは言わないまでも、頻繁に使われています。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、本人としては誇れることではないと言うもののゴーストライター歴は184冊で、そのうち150冊は頻繁に使われる書籍を多く出している出版社の発行物です。
あるコンサルタントから示されて、感動して語られていた書籍が実は理事長が過去に手がけたもので、そこに書かれている内容の実際のことを知っていたので、どう反応してよいのか困ったと話していたことがあります。それも1回や2回ではないとのこと。大筋では間違ってはいないものの、間違えても仕方がないような書き方をしたこともあるようで、今さら修正をするわけにはいかないので、そのまま放っておくしかなかった、ということも話していました。
古い情報は間違いにもなりかねないということですが、言葉であれば、まだ救いようがあるのですが、事実関係がアップデートされていると、これは間違いそのものです。医学や科学の世界では、常に最新の研究が行われ、これまで常識であったと思われていたことが覆されています。その最新情報に頭の中を更新せずに、以前の情報のまま話したら、せっかくのセミナーが間違い情報の拡散の場にもなりかねません。
現役で患者を診ている医師なら最新情報を得ているだろう、それも専門医、指導医という専門分野の肩書きがある医師なら大丈夫だろうと思いがちです。ところが、有名な医師がアップデートされないまま、一般の聴衆の前で“間違い情報”を話している場面に遭遇することがあります。このことは医師免許は一度取得したら更新がない制度で、古い情報のままでも仕事ができることが関係しています。
だから、日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、個人のボランティアと断ってですが、最新情報をピックアップして医師や研究者、団体役員などに毎週発信する「健康情報メール」を11年間も続けているのです。これは、その情報のアップデートによって恩恵を受けるであろう多くの人のためにすることであり、場合によっては指導を受けたり、患者の立場になるかもしれない私たちのためでもあるのです。