古酒は“褐色”とは限らない

日本酒のことを続けて書いていると、日本酒の突っ込んだ質問が寄せられるようになります。日本酒は新酒を有り難がる風潮があり、製造から半年も過ぎると古いと言って返品が相次ぐことがあるほどです。これに対して、古いほど有り難がられるのが“古酒”です。
日本酒は透明か少し色づいているものが古酒になると褐色になる、長く寝かせるほど色が濃くなるものというのが一般的な印象です。
寝かせるほど色づくのは米から出たたんぱく質が変性するからで、普通酒を寝かせたものとなっています。これに対して色づかない古酒は吟醸酒が使われています。酒の種類だけでなく、温度も色に関係しています。常温で保存すると色づきやすく、冷温で保存すると透明のままです。透明であっても古酒の独特の美味しさに変わりはありません。
すべての古酒を知っているわけではないので、これが良いとは言いにくいのですが、秋田銘醸の爛漫の古酒は透明で、通常の店舗には置いてありません。秋田銘醸に注文がきてから冷温保存している蔵から出して、ラベルを貼って、冷温状態のまま発送するという徹底した温度管理が行われています。
色づかない古酒というのも酒好きなら知っておきたいところです。酒の話と健康は、どこに関係があるのかというツッコミも寄せられますが、美味しい酒を少しだけ飲んで、健康に役立ててもらいたいとの願いからです。