歩数計は1日に歩いた歩数を計測する装置で、以前は振り子式といって勢いよく歩くことでカウントされるものでしたが、今では3D加速度センサー式といって身体の移動を立体的に把握して、より正確にカウントすることができるようになっています。また、振り子式は装着するのが計測しやすいベルトなどに限られていましたが、3D加速度センサー式は、どこに装着しても計測できるようになっています。振り子式は摺り足のような歩き方では正確にカウントされないのですが、しっかりと歩かないと計測されないのは、ある意味では歩いていないのにカウントされるようなことはありませんでした。
3D加速度センサー式は歩数計が動くことで計測されるので、歩いていなくても、例えば貧乏ゆすりをしてもカウントされてしまいます。そのために、1日中、家にいる外出自粛でも歩数が増えるということがあります。では、普通に歩いていれば正しくカウントされるのかというと、歩数計には誤差があります。誤差は3%以内という精度が一般的な基準です。
歩数計という名称のほかに万歩計という名称で販売されているものがあります。万歩計というのは商標登録名で、山佐時計計器が登録しています。万歩計という名称は、1日に1万歩を歩くことが推奨されていた時代に名付けられ、その伝統を今に伝えています。
歩数計も万歩計も大きなところでは変わりはなく、精度にも違いはないはずです。しかし、複数の歩数計なり万歩計を装着して1日を過ごしてみると、思った以上に差が現れることがあります。誤差が3%なら1万歩を歩いたときには9700歩から1万300歩の範囲となるはずですが、1000歩以上の差が出ることがあります。健康維持のために、普段の歩数よりも1000歩以上を増やすこと、それも10分で1000歩、つまり早歩きをすることすすめられている時代に実際よりも1000歩もの差が出てしまったのでは、その歩き方でよいのかわからなくなってしまいます。
どの歩数計・万歩計が正確に測定できるのかを知るために、私たちは複数の歩数計を装着して、どれが正確なのか、どれが自分の歩き方に適しているのかを知ってから使うようにしています。