呼吸は吐いてから吸えばよい

深呼吸は心身ともに健全であるためには重要なことです。新鮮な酸素を体内に取り込んで、酸素を全身の細胞に行き届かせ、細胞から排出された二酸化炭素を外に吐き出すということだけに、生きていくための基本中の基本となります。

興奮状態になっているときには、自律神経の交感神経の働きを抑え、副交感神経の働きを高めるために深呼吸がすすめられます。多くの酸素を取り入れることで、全身の臓器や器官の働きが抑えられている証拠となって、そのために交感神経の働きが自動的に抑えられるようになります。

呼吸をするというと、ラジオ体操では「大きく息を吸って、止めて、吐いて」の繰り返しとなっていますが、ただ息を吸い込もうとしても空気は多くは入ってくれません、それは肺は自ら伸び縮みすることはできなくて、肺の周囲にある筋肉が動くことによって肺は膨らみます。そのことから、深呼吸をするときには上半身の筋肉を動かすことが必要になります。だから、胸を大きく開くように腕を動かすように指導されるのです。

肺に勢いよく空気が入ってくるようにする方法が、もう一つあります。それは先に息を吐くことで、吐き切ると吸い込もうと意識しなくても空気が入り込み、酸素が補給されます。吐き出すべき二酸化炭素が残っているときに、酸素を補給するために空気を吸うのではなく、先に吐いて、空にしてから吸い込んで、効率よく酸素を補給しようということです。

呼吸の“呼”は息を吐き出すことを指しています。呼ぶ行為は息を吐き出して行います。“吸”のほうは文字どおり吸う行為です。息を吐いてから、吸い込むようにすることで、吸うことに余計な労力を使う必要はなくなります。

呼吸を繰り返して、副交感神経の働きが盛んになると、呼吸数が減り、血管の収縮がゆるみ、血圧も下がってきます。全身の細胞はエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして、酸素を使ってミトコンドリアの中でエネルギー代謝を進めています。酸素は細胞の中でエネルギーを作り出し、そのエネルギーを使って元気になるためにも必要なので、意識して呼吸をする時間を、できるだけ作るようにするべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕