四字熟語でコロナ後を考える2「一期当選」

コロナ禍を経験して、さまざまな制度の見直しが検討されていますが、選挙区の区割りも、その一つです。次の衆議院選挙では、選挙区の区割りの変更による10増10減の方針が掲げられています。まだコロナの影響で、どうなるか見えないところではあるのですが、現状では小選挙区が289議席、比例代表が176議席となっています。
区割りの変更は1票の格差を是正するための方策で、総務省が国勢調査の確定値から割り出した定数では、小選挙区は東京都が5増、神奈川県が2増、埼玉県が1増、千葉県が1増、愛知県が1増で合計10増となり、宮城県、福島県、新潟県、滋賀県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、長崎県が各1減の合計10減となっています。
比例代表ブロックでは東京が2増、南関東が1増、東北が1減、北陸信越が1減、中国が1減の3増3減となっています。比例代表ブロックでは東北は宮城県と福島県、北信越では新潟県、中国では岡山県、広島県、山口県が小選挙区でも減るので、厳しい地域となっています。
必ずしも小選挙区で減らされるのは現在の人口が少ないということではなくて、かつては人口が多かったので選挙区が多くなっていたか、人口実態に合わない多くの選挙区が与えられていたということです。
今回の衆議院選挙の小選挙区で勝てずに、比例復活した議員にしてみれば、次の戦いの厳しさを感じているところで、ましてや比例復活で初当選した議員にしてみれば次はないかもしれない「一期当選」ともなりかねない状況です。
この「一期当選」は、パソコンで「一騎当千」と打ち込むつもりが、分割して打ち込んだために出てきた言葉です。厳しい選挙の中で、一人で千人分にも相当するような大活躍をするために勝ち抜いてきた議員のことを文章にしようとしていたのですが、そのときに出てきたものです。一騎は他に「一気」と変換されることもあり、これだけ一気に頑張って当選したのに、選挙区の区割り変更で頑張りが通じなくなるというような意味にもなり、それが一期だけで落選するという悲しいことにもなってしまいます。
与党が野党との一騎打ちで小選挙区では敗れても比例復活したのなら、次は与党の力を結集して選挙区が減らされても勝てるという見込みはあっても、保守分裂での選挙区で比例復活した議員となると、これは厳しすぎることになります。そんな選挙区があります。