四字熟語でコロナ後を考える6「一笑賢明」

新型コロナウイルス感染症が拡大すると外出が減り、歩く機会が減り、食べる量も増えることから、健康の維持にはダメージを与える結果となっているのは当然のことです。コロナを克服したときには運動をする機会を増やそうということで、少し収束してきたときに、これまでの運動不足を取り戻そうと頑張って歩いた人も多くいます。
しかし、必死になって歩くようなことをしても、なかなか長続きしないものです。「一生懸命」という姿勢はよい評価のときに使われる四字熟語ですが、一生をかけて懸命に取り組むというのは、それこそ一生涯続く健康づくりへの取り組みには向いていないことです。
そこで一生懸命の姿勢で健康づくりのウォーキングに取り組もうとしている人や、健康について学ぼうとしている人に対しては、気持ちを和らげるために「一笑賢明」という同音意義の言葉を示してから講習を始めるようにしています。固く考えて必死の姿勢で健康について学びたいと思っていても、頑張りすぎると記憶には残りにくいものです。つらい思いをするようなことは、誰しも忘れたいという気持ちがあって、なかなか記憶として刻まれなくなります。
講習のときに、場を和ませるつもりでギャグを言うことがあります。それは「身から出たサービス」のようなものですが、中には、そちらの言葉を覚えて、何を言おうとして諺(ことわざ)をもじったギャグを言ったのか忘れてしまう人もいます。その反面、楽しい気分になったことで、その後のことは記憶に残りやすい人もいて、そちらの方が圧倒的に多くなっています。
一笑するような雰囲気であっても、学んでいることは賢明であって、かしこく明るい状態で優れた判断ができるような知識を得てほしいということで、健康については「一笑賢明」の姿勢で学ぶことが重要だと伝えています。