変異ウイルスが空港検疫をすり抜けたのか

新型コロナウイルスは変異をします。ウイルスの変異は普通に起こることで、新型コロナウイルスは2週間に1回は変異をしているといいます。しかし、通常の変異は人体に害を為すものではなくて、中には人体にとって益になる変異をすることもあります。
そんな変異の中で、イギリスで起こったとされる変異種は感染力が従来のウイルスに比べて1.7倍と高く、若年者も重症化しやすいことが指摘されています。イギリスから南アフリカ、ナイジェリアに広がりましたが、南アフリカ変異種もナイジェリア変異種もイギリス変異種とは違った特徴があり、イギリスや、その近くのヨーロッパ各国だけでなく、世界中から変異種が持ち込まれる可能性があります。
幸いなことに日本は島国で、海外からの入国を制限して、検査を確実に行えばシャットアウトできるはずです。国内でイギリス変異種が発見され、その感染者は海外渡航をしていなくて、これが濃厚接触者に感染しているということで市中感染が心配されています。今のイギリス変異種は外国人の入国停止をする前に持ち込まれたようで、入国停止以降は安心できるように思われがちです。
しかし、これで安全だとは言えないのが、水際対策の検査の方法です。新型コロナウイルスの検査といえばPCR検査だと思われています。以前も空港で実施される検査はPCR検査でした。PCR検査は精度が高いものの、空港の検査では結果が出るまで2〜3日もかかります。海外からの入国制限を緩和したときに検査数が増えたことから早く結果が出る唾液を用いる抗原検査に切り替えられました。結果が出るまでに30〜60分ということですが、精度が低くても多くを検査するために仕方がないという判断もありました。
変異種が国境を越えて持ち込まれる危険が高まったうえに、入国者が激減したので、検査法がPCR検査に戻されたのかと思ったら、今も抗原検査のままです。感染を防止するには何でもするという覚悟を国のリーダーが示したのに、精度が高いPCR検査に戻されないのは、なんとも違和感を感じるところで、何か隠された意図があるのかと疑いを抱く人も少なくありません。