奇跡の軌跡20 2002年からのサプリメント研究

サプリメントは研究の対象ではなく、食事の栄養を補助する、まさにサプリメント(補助、補完、補助)という感覚でいたのですが、それが大きく変わることになったのは2002年のことでした。

現在では当たり前の存在にもなっているサプリメントのアドバイザリースタッフは、2002年に厚生労働省から通知が出されました。現在は「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方について」との名称ですが、発表されたときには「サプリメント等の〜」と書かれていました。

この通知の検討委員会が始まったのは2001年からですが、その検討委員会に私も参加していました。

その関係から国立健康・栄養研究所が認定する栄養情報担当者(略称:NR=Nutritional Representative)では法律講習を担当しました。また、日本臨床栄養協会が認定するサプリメントアドバイザーの認定制度構築も手がけました。

これをきっかけにして、健康食品・サプリメントの成分などの研究を進め、現在のサプリメント講習につながっています。

2002年は、L–カルニチン研究のスタート時点でした。スタート時点となったのは私のことで、その前からL–カルニチン研究の第一人者の王堂哲さんは研究を始めています。その研究成果によって、医薬品成分であった代謝促進成分のL–カルニチンが、2002年に厚生労働省による食薬区分の変更によって食品成分(サプリメント素材)としても使用することが許可されました。

L–カルニチンの食品成分としての許可に尽力したのはロンザ社(スイスの製薬会社の日本法人)で、そのニュートリション部長だった王堂哲さん(工学博士)は日本メディカルダイエット支援機構の副理事長です。

L–カルニチンは細胞のミトコンドリア(エネルギー産生器官)における代謝促進成分で、L–カルニチンなしには脂肪酸はミトコンドリアに取り込まれることはなく、その減少が代謝低下の大きな原因となっています。

L–カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、それ以降は低下する一方です。

L–カルニチンを活用したエネルギー代謝研究を受けて、日本メディカルダイエット支援機構のダイエット講習はエネルギー代謝が中心テーマとなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕