“奇跡”をテーマとした連載コラムを考えたとき、「奇跡の連続」を盛んに口にする人がいて、どんな奇跡が起こったのが聞きました。さぞや驚きや感動を与えてくれるのではないかと期待もしていたのですが、私にとっては普通に起こることを奇跡と言い換えているように思えてしまうことでした。
当たり前のことであっても、滅多にない偶然や努力の結果が重なって奇跡の出来事となることはあります。しかし、これは待っていれば、いつか訪れるといったことではなくて、これまでやってきたことが積み重なって、それが“ひょっこり”と顔を出したのが奇跡ではないかと感じています。
いつ“ひょっこり”があるのかわからないので、常に情報を収集して、感覚を研ぎ澄まして、タイミングを見逃すことなく“急発信”できるように準備に準備を重ねてきたことで、奇跡のほうから近寄ってきてくれます。
その奇跡が現実化するタイミングが、2024年7月4日にありました。詳しいことは今は関係する方々に個別に伝えているところですが、新たな特定非営利活動法人(NPO法人)が認証されました。
これまで付き合ってきた公益法人の代表3人と一緒に、それぞれの法人の活動を進化させた新たなステージを作り上げる活動を「セカンドステージ」というテーマで模索してきました。
ただ知人の活動を組み合わせて新たなことを考えたのではなく、単体では限界があることであっても、一致した思考で同じ方向を見据えていくことで、自分たちのセカンドステージとともに、多くの活躍を望んでいる方々も参加できる、社会に役立つセカンドステージの創設を目指してきました。
私を通じてつながった人脈が、実は他でもつながっていることがわかり、それぞれの人脈が大きな輪になり、勢いよく回転していくことができる存在であることもわかりました。話をするたび、活動を進めるたびに、それこそ“奇跡”の出会いが起こり続けています。
この奇跡は、3年前から始まっていました。超高齢社会は進むだけ進み、労働力の減少から定年退職年齢が65歳になり、70歳まで希望する人は働き続けられる法律が設立して、その実施義務が2025年4月から始まります。
私の旧知の医師が代表であった2つの学会が、高齢者を75歳以上とする提言を行ったのが2017年の1月で、私が岡山移住の準備の最終段階になっていたときです。そのときから、ずっと変化を見続けてきました。
働く人の健康づくりに関わる新たなガイドラインを国の機関が次々に発表して、とうとう全部が出揃いました。あとは、それを現実化させるための行動をスタートさせるだけという段階まで進んだことから、特定非営利活動法人の認証の申請をしました。
そして、これまでの活動の“軌跡”を“奇跡的”に活かすことができる認証を受けることができました。
岡山に移住して7年となりますが、2年半は移住の目的と違った結果になり、その後の半年は必死になって人脈がない中で新たな仕事を作りました。ところが、新型コロナウイルス感染症の蔓延で3年間は予定した仕事ができず、これまでの研究と情報の蓄積を講習テキストの形にして、テストランとして講習も行ってきました。
コロナ禍の束縛から解放されて1年、セカンドステージの構築に時間をかけてきました。このことに関しては自分にとっては岡山の7年間は、1年間であったようなものです。移住1年が過ぎて、一気に進めていく2年目と同様に、一気に進めていくタイミングの始まりです。
そう考えるのは、6年間に進んだ年齢だけを巻き戻して、63歳になった感覚であり、心身ともに若く活動できるように努めながら歩み出しています。
ここまで来るまでの軌跡が、奇跡の出会いと活動にするには、これからの軌跡のための日々の活動が重要になっていくと心を新たにして、これの連載コラムを終了することにしました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕