高齢化社会は、自由に動けない人が増える社会でもありますが、その高齢になって自由に動けない原因の多くは膝の痛みです。病院などで膝の痛みの治療を受けている人は年間200万人ほどにもなっています。しかし、膝の痛みで悩んでいる人は1800万人以上と推定され、65歳以上に限ると3人に1人にもなっています。それだけ治療を受けずに、膝の痛みをこらえたまま暮らしている人が多いということです。
膝には、普通に歩いているだけでも体重の2~3倍、階段の昇り降りでは3~4倍、ジャンプをすると5倍以上もの負荷がかかっています。それだけに膝痛は体重が多い人のほうが多く、その症状も強くなる傾向があります。膝痛は中年以降に急激に増え、男性に比べて女性は2倍以上も発症しやすくなっています。
その理由としては、女性は膝関節を支える筋肉量が少なく、女性は中年以降になって急に体重が増えることが多いことがあげられます。そのために、膝への負担が過剰になって膝の軟骨が磨り減りやすくなります。
特に女性は40歳ころに体脂肪が増えやすく、以前はやせていたのに急に太って、そのあとはやせないということが多くなっています。太ったために膝が痛くなると、歩く機会が減り、それがますます太る原因となり、さらに膝痛が強くなるという悪循環が起こるようになっていきます。
膝が痛くなってから歩く機会、時間を増やすといっても、これは難しいことです。できるだけ太らないようにすることと同時に、まだ痛みがない段階から膝の周りの筋肉を強くするように出歩く機会を増やすことです。