栄養摂取は脳細胞の働きを保つにはブドウ糖だけでも摂ってほしいということを前回(学びの伴歩8)紹介しました。
これはエネルギー源だけのことで、脳細胞が取り入れたブドウ糖をエネルギー化させるには4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要となります。
ビタミンB₁とビタミンB₂は体内で24時間ほど保持されるのに対して、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。そのため、朝食と夕食でビタミンB₆とビタミンB₁₂が含まれた食品を摂取しておく必要があります。
人間の身体は歴史的に1日に3食を食べてきたことから、3食を食べて栄養補給できるようになっています。ヨーロッパでは朝食と夕食に多くの種類と量を食べて、昼食は軽く済ますのが基本になっています。
日本では今でこそ朝食、昼食、夕食の3食を食べるのが当たり前とされていますが、日本の庶民が昼食を食べるようになったのは江戸時代の中期からです。それまでは日が昇って起床をして一仕事をしたあとに朝食を食べ、日が沈む前後に夕食を食べていました。
武士や貴族は昼食も食べていたものの、庶民は夕食までに空腹を感じたときには少しだけお腹に入れるというのが普通の食事習慣でした。
このことがビタミンB₆とビタミンB₁₂が体内で12時間ほどしか保持されなくても生命現象に影響がない理由と考えられています。
栄養素は1日に必要とされるものを摂取すればよいというわけではなくて、体内の保持時間も考えて、いつ摂取するのがよいのかということも考えておく必要があります。
通常の時間に食事ができない、摂取時間としては通常であっても重要なビタミンが不足するという状態の人が学びのために脳をフルに回転させなければならないとしたら、必要な栄養素は摂取してほしいし、その摂取のためのサポートもしなければならないということを岡山自主夜間中学校の特別授業(原則は月に1回)で話をさせてもらっています。
その実現にはタイミングよく、効率的に摂取できるものを提供する活動も同時にしなければサポートしたことにならないという考えをしています。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕