学習支援1 学習障害の実態

発達障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに大きく分類されています。この3つは三大発達障害とも呼ばれていて、このほかにトゥレット症候群、チック障害、吃音(症)なども発達障害に含まれます。
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、身体や学習、言語、行動において幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかない状態を指しています。発達障害というと知的な遅れや障害があるものと勘違いされることがありますが、認知機能は平均以上で、知的な遅れがないのが大きな特徴となっています。
精神面、運動面の発達が遅れている部分があるために、対人コミュニケーション能力や気を利かせる能力、問題解決能力などの低下が認められています。日常生活に支障があり、周囲と違った行動をすることから、社会適応に向けての支援が必要となります。その社会適応の一つで、重要な部分を占めているのが学習面での遅れに対する支援です。
発達障害児は全児童の10%ほどにみられ、そのうち半分ほどは学習障害(LD:Learning Disabilities)であることが確認されています。学習障害は単独で起こるだけでなく、学習障害と自閉症スペクトラム障害、もしくは注意欠陥・多動性障害が同時にみられることもあり、さらに3種類が複合的にみられる場合もあります。
学習面での困難さがあるのは学習障害だけでなく、自閉症スペクトラム障害においても、注意欠陥・多動性障害においても起こります。学習面で障害が起こることによって、充分に学ぶことができず、持って生まれた能力が発揮できないということもみられます。そのことから、学習障害の支援対象は、学習障害児だけでなく、自閉症スペクトラム障害児、注意欠陥・多動性障害児も含まれています。