学習支援16 学習障害の特性②書字障害4

書字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*促音、撥音、二重母音など特殊音節の誤りが多い
促音(っ)、撥音(ん)、二重母音(おかあさんの“かあ”)などの特殊音節は、五十音を覚えたうえに新たな応用編の知識として学びます。特に誤りが目立つのは二重母音で、始まりの音質のほうが聞こえ度が高い下降二重母音と、終わりの音色のほうが聞こえ度が高い上昇二重母音の区別がつきにくいことがみられます。
*“わ”と“は”、“お”と“を”にように耳で聞くと同じ音(おん)の表記に誤りが多い
同じ音に聞こえる文字は、文章の流れと意味が理解できていないと混乱しやすくなります。ひらがなの理解度を知る方法として、この文字の違いを正しく表記できるかが確認されることが多くなっています。
*形態的に似た漢字を書き間違える
人と入、牛と午、木と本、王と玉、水と氷、日と目、天と夫といった形が似た漢字は、漢字を学び始めた子どもには区別がつくにくく、間違えたまま覚えると、なかなか直りにくいところがあります。この他に書き間違いが多い漢字としては、雷と雪、開と閉と閑、間と問と聞、鳥と島、大と犬と太、待と持、体と休、全と金、力と刀、旅と族、熊と態、料と科、名と各、東と車などがあげられます。
*画数の多い漢字に誤りが多い
漢字は画数が多くなるほど覚えにくくなり、読むことができても書くことは難しいというものが増えていきます。漢字の構成や部分の配置が理解できないと混乱したまま、その状態が続きやすくなります。