学習支援18 学習障害の特性②書字障害6

書字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*考えた内容を書いて表現することが難しい
読んで記憶した文章を、そのまま書くことはできても、自分で考えた内容を書くことに困難さが出ることがあります。考えたことは、思いついたまま文字にすればよいわけでなく、頭の中で文章として組み立てて、それを書くことが必要となります。組み立てができずに、文章として読みにくく、表現したいことがわかりにくいということが起こります。
*板書など書き写しの速度が極端に遅い
黒板・ホワイトボードに書かれた文字や文を書き写すときに、一度に覚えられる文字の数が限られていることから書き写しが遅くなることがあります。見た文を言葉にすれば記憶しやすくて書き写ししやすい場合もありますが、授業中に声が出せないと急に書き写しの速度が遅くなることもあります。教科書のように活字であれば書き写しやすくても、筆記されたものでは理解が遅くなって書き写しが遅くなることもあります。眼球の動きがスムーズにいかないことから、遠くの板書と手元のノートに視線を交互に移すのが苦手で、書き写しが遅くなることもあります。
*早く書くと雑になる
ゆっくりと書けば正確な文字をかけても、早く書くと文字が崩れたり、文字の大きさが変わる、ワクの中に収まらない、最後まで文字を書き終わる前に次の文字を書き出すということがあります。注意欠陥・多動性障害の場合には、短い時間では文字が雑になって、文字が途中で終わるということが多くみられます。そのことを指摘するだけでなく、雑になる理由を理解して指導することも必要となります。