感覚過敏の視覚過敏が疑われる状態であっても、アーレンシンドローム(Hren Syndrome)であることが少なくありません。アーレンシンドロームは視覚の過敏症と呼ばれていて、視覚と過敏の用語が使われているものの、まったく異なるもので、光の一部に対する感受性が高いために起こっています。これとは逆に、光の一部に対する感受性が低いために色が見えなくなっているのが色盲や色弱となります。
光は3原色から構成されていて、青い光を感じやすい人、緑の光を感じやすい人、赤い色を感じやすい人がいます。中には2つの色、すべての光を感じやすい人もいます。光の違いは波長の長さによるもので、一定の光に対する感受性が高くなると見えにくくなります。
そのために見えるはずがない紫外線を見ることができたり、蛍光灯の光が波のように揺れて見える、光がチラチラして見えるということもあります。他の人には何も見えない、何も感じないものであっても、余計なものが見えるために疲れやすく、それが原因で体調を崩すことにもなります。眩しく見えることから頭痛や吐き気を起こすこともあります。
アーレンシンドロームの子どもは、学習障害の識字障害と勘違いされることもあります。それは単語を読み飛ばす、1行ごと抜けてしまうということがあるからで、その原因としては文字の背景の白が強く光って、文字がかすむ、一部が消える、二重に見えるといったことが起こるためです。
よく見えなくなることから文字を正しく読むことができなくなり、早く読めない、本に書かれていることが理解できない、間違って読むということから書字障害と勘違いされることもあります。また、よく見えないことから文字や図が上手に書けないという書字障害にも間違われます。光を避けるために室内を暗くしたり、暗いところに閉じこもることもあり、これが自閉症スペクトラム障害と間違われる要因ともなっています。